弁護士コラム

別居したら婚姻費用を請求しよう

2024.06.05
別居したら婚姻費用を請求しよう

別居したら、婚姻費用を請求しよう

別居後、離婚が成立するまでの間、夫婦のうち、収入が低い方(婚姻費用を請求できる権利がある者なので、こちらを「権利者」といいます。)から収入が高い方(婚姻費用を支払う義務があるので、こちらを「義務者」といいます。)に対して、婚姻費用の請求ができます。

婚姻費用とは、別居後離婚成立までの間に配偶者の生活にかかる費用のことです。もちろん、夫婦の間に未成熟の子供がいれば、その子供の生活にかかる費用も婚姻費用に含まれます。

養育費とは、その名のとおり、夫婦の離婚後、子供の養育のために負担される費用のことをいいます。 このページでは婚姻費用について少し詳しく紹介します。

 

婚姻費用の取り決めは必ずしておきましょう

婚姻費用は原則として、夫婦間の協議によって取り決め、双方合意した額が支払われることになります。合意に従って離婚成立までしっかりと支払ってくれれば何の問題もありません。

しかし、別居に至る夫婦間においては、そもそも婚姻費用について話し合う余地すらなく、特に取り決めもしなかったため、別居後、権利者の生活がたちまち立ち行かなくなることもよくあるケースです。このような状況にならないためにも、別居前に婚姻費用について、しっかりと取り決めておくことをお勧めします。

実際に相談をうけるケースでも別居したはいいけど、婚姻費用を決めておらず、全く払ってもらえない。というケースが多いです。中には婚姻費用って何?と、ご自身の権利について把握しておられない方もおられます。取り決めがない場合、婚姻費用について詳しく知りたいという方は弁護士にご相談してみてください。

 

別居前に取り決めができなかった場合

そうは言っても、やはり婚姻費用の取り決めがされないことも多く、このような場合は、別居後、夫婦間で話し合いの機会をもつことができる状況であれば、婚姻費用について話し合い、取り決めをすればよいでしょう。

逆に、もはや夫婦間で話し合いできる状況ではないという場合は、弁護士を通して協議するか、家庭裁判所を利用し、調停、または審判により、婚姻費用分担請求を行っていくことになります。成立した調停や審判には強制力があり、義務者が婚姻費用を支払わない場合、強制的にこれを支払わせることが可能になります。もっとも、強制執行には専門的な知識も必要となってきます。何を差押えるべきか、手続きはどうすればよいか等、専門性が高いことに関しては、ご自身で判断されることなく、まずは弁護士にご相談ください。

 

調停?審判?どっちを選べばよいか

家庭裁判所を利用して、婚姻費用の請求をしていく場合、調停又は審判によることが可能です。

調停とは、調停委員に間に入ってもらい、いわば話し合いで婚姻費用の負担額について決めていくものです。

審判とは裁判官がその判断に基づき婚姻費用の額を決めるもので、話し合いとは赴きを異にします。

いずれを選ぶのがよいかはケースによって異なりますが、調停の方が話し合いベースである分、婚姻費用の負担額について想定の範囲内の結論に落ち着くことが多いです。

審判の場合は裁判官の判断なので、想定外の結論(思っていたより高額、低額)になる場合があります。そうだとすると、まずは調停によることがベターではないかと考えます。もちろん、戦略により審判の申立から入る場合もあります。最後に少し触れますが、専門的な判断になりますので、迷われたら、まずは、弁護士に相談してみてください。

 

調停には時間がかかる

当面の婚姻費用を早急に確保するためには。
婚姻費用は、別居後、収入が低い権利者の生活の糧になるものであり、これがないと権利者はたちまち生活が立ち行かなくなる場合があります。調停は申立ててから少なくとも1ケ月後以降に開始されるので、これを待っていては権利者の生活が破綻してしまうという場合には、調停の申立と同時に、「調停前の仮払いの仮処分」を申立てます。これは、ありていに言えば、権利者の生活がひっ迫していると認められる場合に、調停委員や裁判官から、義務者に対し、調停が成立するまで権利者に婚姻費用を仮に支払うようにお願いしてもらう申立です。従わない場合は10万円以下の過料のペナルティが用意されているので、義務者が調停開始前に支払ってくれる可能性が高くなります。もっとも、直接強制的に支払わせる力はありません。あくまでお願いベースです。

 

審判を利用する方が良い場合

先に、調停と審判どちらを選択すべきかという話では原則として調停がよいと説明しました。しかし、調停には時間がかかり、調停前の仮払いの仮処分も強制力がありません。やはり婚姻費用の支払いを確実にしてもらいたいという場合は、最初から審判を申立てるのがよいでしょう。

なぜなら、審判の申立と同時に、強制力のある「審判前の仮処分」を申立てることができるからです。この処分により、審判が出る前であっても、義務者が婚姻費用を支払わない場合、権利者は義務者の給与等を差押えることができ、強制的に婚姻費用を回収できることになります。

もっとも、審判なので、最終的に想定外の婚姻費用の審判がなされるリスクは否めません。ここはどのように考えるかで採る方法が変わりますので詳細は弁護士にお尋ねください。さらに、調停の申立は相手方住所を管轄する裁判所に申し立てることになりますが、審判の申立は申立人の住所地を管轄する裁判所に対して申した得ることができるので、ご自身と相手方が遠方で別居している場合には審判の申立をする方が、距離的な負担が少なくてすむというメリットもあります。この時、単純に審判の申立のみをすると、先に調停をしなさい。という判断が下り、結局相手方の住所地管轄の裁判所で調停をすることになりかねないので、審判前の保全処分も併せて申立てるのがセオリーです。手続的に難しい面もありますので、こちらも詳しくは弁護士にお尋ねください。

 

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